約30年前のトランペットである初代YAMAHA XENOをGPにフルオーバーホールさせていただきました。

約30年前のトランペットである初代YAMAHA XENOをGP(金メッキ)にフルオーバーホールさせていただきました。

最初に完成したGPです↓

まず最初に凹みを出してラッカーを剥離した後に研磨したメッキ前の状態です。↓

ラッカーが少しでも残っていればそこはメッキが乗らず、ラッカーが剥離出来ていたとしても傷や錆があったり、研磨が甘い状態だとのったとしても見た目は非常に悪くすぐ剥がれてしまいます。

また傷はメッキをしたら消える訳ではなく、表面の形にそのまま金属が乗るため、むしろ浮いて見えることも多いです。なので下処理が非常に重要であり、メッキ後の出来の良し悪しの8割以上は下処理の状態での美しさに比例します。サテン処理ではマットな仕上がりなように(サテンは表面に大量に傷がついているような状態です)、メッキ自体に光沢があり、傷のない鏡面にする力があるわけではなく、下地が鏡面なのでメッキ面も鏡面になります。

下処理でここまで仕上げればほぼ新品に近い状態で完成します。※傷の深さによっては研磨の度合いは相談させていただきます。


またGP後は金一色になるのでわかりませんが、SP仕上げの楽器の多くはスライド外管部分も真鍮であるため、洋白+真鍮の複合管体でGP楽器というのは現代では珍しく、ラッカー仕様からGPにする意味は多くあるかと思います。(BACHもSPの場合は基本的にほとんど真鍮製です)


以下↓メッキ後になります。

GPらしい非常に華やかな見た目になりました。また音色も非常に倍音豊かで深く、GPの楽器として期待される音色の楽器になったかと思います。

またオーナー様のご希望でステムも真鍮製のものに交換し、本体同様GP仕様で組んでいます。(下写真3枚目)アルミと異なり軸もGPになり一体感が出るほかに、比重もあがり音色に芯が増す傾向にあります。

加えてトップキャップフェルトもワインレッドをお選びいただきました。YAMAHAの100周年モデルが当時発売された際もGP+ワインレッドが採用されており色合いも相性が良いかと思います


リプレートの際は概ね可能なことは盛り込んで組み上げることが可能なので、もしご要望があればお気軽にお申し付けくだされば実現させていただきます。


またよく金額についてお問い合わせいただきますが、もともとの楽器の状態とオーナー様のご要望、金相場によって変動するため明確な価格設定はございませんが、金自体が高価であるため概ね25万円~35万円の間になることが多いです。ピンクゴールドも同様になります。

管楽器工房ラグリゾン

当店は大阪府高槻市にあります管楽器のリペア工房です。 また完全調整済みの楽器の販売も行っていますので是非ご検討ください。

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