①完成したクラリネットです。
今回は全ての金属部分をピンクゴールドにリプレートさせていただきました。
使用タンポはオーナー様とご相談の上でレザータンポで、その他ジョイントコルク等の消耗箇所も全て交換させていただいています。
機種はSELMER 10SⅡです。現在のラインナップにはない機種ですが、当時のセルマークラリネットの魅力が詰まった根強い人気を誇る機種です。今回ピンクゴールドの金属部分との色彩的な兼ね合いで、本来刻印は黄色味のあるゴールドですが、黒に刻入れさせていただき、よりメッキ色が際立つようにしています。
↓いつも黒い背景で撮影しているため、今回は明るい場所でも撮影してみました。実物の見え方としては明るい場所で撮影した方の写真が色味としては近いです。
②最初の状態です。
全体的にメッキが剥がれ、キーが腐食している状態でした。
ここからすべてのパーツを外し、研磨していくわけですがただ研磨していくと不必要にキーを削りすぎ本来のポテンシャルを発揮できない楽器になったり、逆に研磨不足だとメッキ不良になります。なのでまず腐食して削れたキーについては整形をして形を整えた後に研磨していきます。またポストも一つ一つ異なるため、全て附番して元の場所に組み上げるように作業していきます。
研磨が終わるとメッキ工程に入る訳ですが、その際に木だけの状態になった本体に対して割れ修理や削れたトーンホールの修正、乾燥して痩せすぎた木部のケアも併せて行っています。
リプレートというと金属部分のみの作業のように感じるかもしれませんが、何十年もの負担を一気に解消するオーバーホールのような作業内容になるため、見た目だけでなく音色も蘇り、よりパワーアップしてお渡しすることが可能です。
ご検討の際は、ぜひお問い合わせいただければ幸いです。
※価格も仕様や状態によってふり幅があるため、お見積もりの際はご予約の上でお持ちいただければと思います。ただ業界相場からすると弊社はほぼ最低値だとは思います。
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